子どもしつけは怒ってはいけない?
皆さんは「しつけ」について悩んだことはありませんか?
他人に迷惑をかけないように、子どもはしっかりと躾けたいけど、中々言うことを聞いてくれないもの。でもガミガミ怒ってばかりなのも…
子どものしつけ。本当に悩ましいですよね。
自分の子どもが悪いことをした時の対応で困っている方へ、小児神経の先生から「なるほど〜!」と思える話を聞いたので共有させて下さい。
もちろん大前提として子育てに正解はありません。
他人の言うことを理解することが苦手な発達障害や自閉症などの子供たちを見ている先生のお話でしたが、これはその子達に限らず、多くの子供たちに当てはまるのではないかと思いました。
子供の学習方法
最初に、子供は物事をどのようにして学習していくか考えた事はあるでしょうか。
ABA(応用行動分析学)というものに基づくお話です。
ものすごく簡単にまとめると、人間の行動と学習の間には下の図のような関係があります。
強化と消去この2つを繰り返すことで子供は物事を学習します。
そして消去は強化よりも効果が弱い(持続しない)です。
強化によってその行動は強化(回数が増える)され、消去によってその行動が弱化(回数が減る)すると理解してください。
おもちゃが散らかっている!
たとえばおもちゃが部屋に散らかっていた時、どうしますか?
普段から何度も言っているのに片づけないなんてけしからん!叱る!
と思った人、多いのではないでしょうか。
子どもにとって叱られるのは「嫌なこと」ですから、叱ることによって「散らかす」という行動は消去され、短期的には回数が減ります。。
実は消去というのは弱点があり、慣れやすいのです。
つまり繰り返していくことにより効果がどんどん薄れていきます。
まじめで普段怒られない子どもは怒られるとシクシク泣いて反省しますよね。
逆に普段から怒られまくっているガキ大将は怒られても何のその「右から左」状態であることは想像できると思います。
これはその子の元々の性格というよりも慣れの問題が大きいのです。
怒られるということが「嫌なこと」と認識されにくくなっているのです。
つまり、「なんで何回怒っても片づけないの」という状況は
「何回も怒っているために「叱る」自体の効果が薄れている」可能性があるのです。
ではどうすればいいでしょうか?
「片づける」行為を褒めて強化する。という方法があります。
強化は「快」の感情を生み出します。強化はうれしいことなので慣れにくく、何度あってもその直前の行動を強化します。
具体的には・・・
例えばおもちゃを1個片づけた時に褒めてあげると、子どもはもう1個片づけて褒めてもらおうとします。人間は誰しも自己承認欲求がありますので、褒められた行動は強化され、回数が増えます。
でもなかなか最初の一歩である「ちょっとの片づけ」ができない子もいますよね。
これは「散らかっている状態」が「不快」と感じていないことによります。
大人から見れば、散らかっている→不快→片づけなくては
となりますが、本人にとって「散らかっている状態」が困った状況ではないので積極的に片づけようとしないと考えられます。
片づけが苦手な子どもには、具体的な指示をしてあげることも有効です。
「なに散らかしてるの!片づけなさい!」と言われても、散らかしてある状態を「不快」と思っていない子供に、片づけの重要性を気が付かせるのは至難の業です。
そこでガミガミ言うのではなく、例えば、片付いている状態を写真にとっておいて「この状態にしてね」と伝えたり、最初のうちは「これをここに戻して、これをあっちに持って行って」と具体的な道筋を教えてあげるのもいい考えです。
あとは、最初から全部片づけられなくても、一部でも片づけることができたことを褒めてあげる。これはとても重要です。
せっかく気持ちを入れ替えて半分片づけたところで「まだ散らかっている!」なんて言われたらどう思うか、想像するまでもないですね…(嫁姑問題?)
全部終わった後にある大きなゴールよりも、中間地点に小さいゴールをいくつもおいてあげた方が子どもは特に目標達成がしやすいと思います。
まとめ
・行動は強化によって回数が増え、消去によって回数が減る。
・強化は繰り返し効果が望めるが、消去は回数を重ねると効果が弱くなっていく(消去に慣れていく)
今回の内容をまとめると「サルもおだてりゃ木に登る」「丸い豆腐も切りようで四角」といったところでしょうか。(笑)
ちょっとした工夫や言い方の違いで子どもの理解や自分自身のストレスも変わってきます!
子育てに正解はありませんが、かわいい子どものために頑張りましょう!
では(。・ω・)ノ゙