便秘になりやすい新生児
おっぱい飲んで、寝て、うんちして、泣いて。。赤ちゃんの1日は意外と忙しなく過ぎていきます。
食事から排泄まで、ママパパは頭を悩ませながら毎日育児していると思います。
今日は新生児の便秘についてお話します。
意外と多い新生児の便秘
外来をしているとよく、便秘の相談を受けます。
特に新生児の1か月検診をやっていて多い質問が「便秘」と「湿疹」です。
そもそも、赤ちゃんの「便秘」とはどのようなものなのでしょうか。
「最近便秘気味で、1日1回しかうんちが出なくなってきています。」
1か月検診で聞かない日はないくらい多くのご両親からこの質問を頂きます。
生まれたばかりの頃は毎日ちょびちょび6-8回出ていたのに、だんだんと出なくなってきて心配になるのです。
たしかに生まれたばかりの時はちょびちょびオムツを換えるたびにうんちがオムツについていることが多いですが、1か月検診あたりになるとうんちの数は減っていきます。
うんちの回数は母乳栄養の子の方が多く、1か月検診あたりで4~6回程度、ミルク栄養の子で1~3回程度の子が多い印象です。※回数は目安です。
新生児のうんちの回数はこれと言って決まりはなく、1日〇回以下は便秘。とか、〇日でないから便秘。といった定義は実はありません。
これは新生児以外の小児や、大人でも同じです。
医学的な便秘の定義は
「うんちを出したいけど出すことができない状態」
とされています。たとえ3日うんちが出なくとも、お腹が張らず、痛くなく、食欲もあれば問題なし。
逆に、毎日ウンチが出ていても腹痛で救急外来受診し、診察するとひどい便秘。なんて事は救急外来では日常茶飯事です。
話を戻すと、たとえうんちが出るのが1日1回でも、2日に1回でも、おっぱいを普段通りしっかり飲めて、大量に吐いたりせず、お腹がポンポコリンになっていなければ心配はいりません。
便秘の赤ちゃんにはどう対応するの?
では、逆にうんちが少なく、哺乳量も少なくなり、お腹がポンポコリンになってしまった場合はどうすればいいでしょう。
赤ちゃんは大人と違って筋肉の量が少なく、いきむ力も弱くなっています。その分うんちが柔らかいのですが、少しお腹の調子が悪かったり、水分が少なかったりするとうんちが硬くなり、容易に便秘になります。
そんなときは「綿棒浣腸」をお勧めします。
綿棒浣腸のやりかた
・まず綿棒を用意します。(大人用の綿棒)
・綿棒の白い部分にベビーオイル、オリーブ油、ワセリンなど(水でも可)を付ける
・赤ちゃんの肛門を広げるように約1㎝の円を描くように綿棒を動かす(クリクリするだけじゃダメ!)
綿棒浣腸をするとすぐにうんちが出てくることもあります。
換えのオムツは綿棒浣腸する前にあらかじめ下に引いておきましょう。
何日も出てなかった場合は大量のうんちが出てくることもあります。(うんちが多すぎて大惨事。。。なんて苦い経験が。。。)
また、浣腸をして少し経ってからうんちが出てくることもあります。
綿棒浣腸してうんちが出てきて、オムツを換えたとたんに第2号がでてくることも。。(笑)
綿棒浣腸でうんちが出てこない場合は病院で液体の浣腸をしてもらいましょう。
とは言っても、診察してみると実は必要ない。なんてことも多いです。
自分の子だと心配になるんですよね。これが。(心配な時は小児科に相談を!)
注意!
綿棒浣腸自体はほぼデメリットなく、排便を促すことができます。
ただ、肛門を傷つけないように気を付けましょう。
乾いた綿棒を使用したり、長時間粘ったりせずに
出ない時は出ない!
と割り切ってください。
また、綿棒浣腸に真剣になるあまり、足を引っ張りすぎたりしないように気を付ましょう。
おむつ替えの時もですが、ついつい足を引っ張り上げがちです。
股関節脱臼にならないように、足は頭側に倒すことを意識しましょう。
本日は新生児の便秘、綿棒浣腸についてでした。
綿棒浣腸は自宅でできるセルフケアとして大変有用です。
しかし、1人でやるのが不安だったり、便秘に思い悩み続けるよりは近くの小児科で相談しましょう!
では(。・ω・)ノ゙