クーリングについて
子どもが熱を出した時に冷えピタや氷枕を使うことがあると思います。
クーリングと言って病院でも発熱の際には行うことがよくあります。
一般的に勘違いされていることがいくつかあるので基本的な点について学んでいきましょう。
①クーリングの効果について
まず大切なことは、クーリングに体温を低下させる効果はありません。
よく体温を下げるために首、脇、股など太い血管が通っている部位を冷やす。などと言われ聞いたことがある方もいると思いますが、実際にクーリングによって体温は下がらないことが証明されています。
では発熱時にクーリングは必要ないのでしょうか?
個人的には熱が高い時にクーリングをするとひんやりと気持ちよく、寝つきが良くなるのでその意味でクーリングを行う意味はあると考えています。
②クーリングのやり方 ※直接充てると危険!
クーリングの際には氷枕を厚手のタオルでぐるぐる巻きにしましょう。
タオルで巻くと冷たくなくなってしまい、効果が薄くなると考える方もいますが、前述の通り、クーリングではそもそも熱は下がらないのでタオルで巻きましょう。
タオルで巻かない氷枕や氷嚢を小さい子の肌に直接あてがうと凍傷の危険があるだけでなく、迷走神経反射を引き起こし徐脈や意識消失を引き起こすことがあります。
少しひんやりしているくらいで十分なのでしっかりとタオルを巻きましょう。
さらに大血管を冷やすのは基本的にOKですが、解熱効果はありませんので、もしも子どもが「おでこに充てたい」と思えばおでこでも頬でも気持ちよいところにあてがい冷やしてあげましょう。
③クーリングのタイミング
たまにですが、熱があるからと冷えピタをおでこに貼って、厚着してブルブル震えている子供が受診することがあります。
熱の出始めは悪寒(さむけ)といって寒さを感じることが多くあります。そのタイミングで冷えピタや氷枕を使おうものなら子どもがとっても寒い思いをすることになります。
さむけがあるときは厚着をして暖かくし、数時間たてば手足がポッポと熱くなって汗ばんできますのでそのタイミングで薄着にして、冷えピタや氷枕を使用すると子供が楽だと思います。