感染予防の基本にて究極「手洗い」
みなさんは「手洗い」をしていますか?
昨今の新型コロナウイルスの話題で手洗いが特集されている場面を見ることも増えたでしょうか。
今日は手洗いについての基本と応用についてみていきましょう。
始めにクイズ
さて、クイズです。
この中で最も手の表面に付着している「細菌」の数が少なくなるのはどれでしょう?
①洗う前の手
②水で1回洗った手
③石鹸で1回洗った手
…
正解は…
②水で1回洗った手
でした!
意外ではないですか?
私は昔大学の授業で習ったときにとても驚きました。
①~③の手を培地(細菌を培養するゼリーみたいなやつ)に押し付けて培養する実験でしたが、石鹸で1回洗うと洗う前より細菌が多く検出されました。
問題の出し方が意地悪ですが、適当な石鹸での手洗いは流水に劣るのです。
もちろん医療現場で流水のみで手洗いをするわけではなく、当然石鹸を使います。
しっかりと細菌(もちろんウイルスも)を落とすためにはどのような点に気を付けて手洗いをすればよいでしょうか。
衛生的手洗いの手順
①まずはしっかりと流水で流す
まずはしっかりと流水で両手を流しましょう。
手術前には肘まで洗いますが、日常生活では手首までで十分です。
②しっかりと石鹸をとる
次に十分な量の石鹸、ハンドソープを手に取りましょう。
両手と両手首を洗うなら2~3プッシュは欲しいところです。
③手のひら、手の甲、指の間、各指、指先、手首の順に
これはポスターとかで目にする機会もあるかと思いますが、順番を覚えることが大切です。
順番を適当にすると洗い忘れが生じます。慣れてしまえば体が勝手に動くので最初は面倒でも覚えましょう。(もちろん毎回同じ順序ならば上の順番でなくても良いです)
ここで十分な時間をかけることが大切!
おそらくいつもやっている時間の3倍程度は必要だと思います。(普段トイレで周りの人を見ている感じ)
これだけでも手洗い効果がとても上がります。
④流水でしっかりと流す
ここもポイントです。
なぜ上の実験では石鹸での手洗い後の方が手のひらの細菌数が増えてしまったのでしょうか。
答えは皮膚表面の脂が石鹸でとれてしまってその奥の常在菌(など)が培地にくっついたから
でした。
その細菌たちも洗い流せるように時間をかけてすすぎましょう。常在菌は復活するので心配しないでください。
⑤効果倍増「2度洗い」
お勧めは上記の手順を2回繰り返すことです。
病院でも清潔手技前には2回の手洗いをしますが、1回と2回では細菌の残り具合が全く違います。
先の実験でも2回「衛生的手洗い」をした手は培養された細菌数が激減しました。
⑥アルコール消毒
これはウイルスの方に効果的です。
詳細は省きますが、あえて言えば大半のウイルスにはアルコール消毒が有効です。
手洗いをした後にアルコール消毒を行えば完璧です。
アルコール消毒も塗り込み忘れがないように、手を洗う時と同様に順番を意識しましょう。
最後に
ウイルスは手についた後に口の中や粘膜から侵入します。
また、接触を介してほかの人に拡散してしまうこともあります。
細菌・ウイルス感染予防の基本にて最も大切なことは手洗いです。
また、うがいやマスクも一定の効果は見込めます。
連日の報道で不安になっている方も多いと思いますが、自分、そして家族を守るためにまずはしっかりと手洗いをしましょう。
では(。・ω・)ノ゙