百日咳とは
皆さんは百日咳、聞いたことありますか?
百日咳菌:Bordetella pertussis による感染症で、長期にわたる激しい咳発作が特徴です。故に百日咳と呼ばれます。
治療はマクロライド系と呼ばれる抗菌薬になりますが、診断が難しく、インフルエンザなどのように迅速検査があるわけではありません。
培養検査は感度が低く、血液検査では結果が返ってくるまで時間がかかりますので実臨床では症状から診断し、マクロライド系抗菌薬による治療を始めてしまうことが多いです。血液検査は答え合わせの面があります。
それではどんな時に病院に連れて行けば良いでしょう?
キーワードは「長く続く激しい咳」です。
お母さんの口から「咳込みが激しくて「コンコンコンコン、ヒューーー」って感じで息を吸う時に音がするんです」と言われると「百日咳か??」という印象を受けます。
小さい子には少ない百日咳
百日咳自体は四種混合ワクチンなどに含まれており、ワクチンの普及により就学前の子どもの百日咳は激減しました。
…えっ?就学前の??
そうです。百日咳への抗体は10年程度しか持たないと言われており、0歳の予防接種で獲得した抗体は段々と低下してきます。
そのため、5歳〜15歳の子どもで百日咳に罹る患者さんが多いです。
さらに、今年は現在進行形で流行しており日常診療で出会うことが増えてきています。
是非注意が必要です。
ワクチンというのは抗体価が下がってきたときにもう一度接種すると強力な免疫が付くようになっており(ブースター効果)
それゆえ、日本小児科学会では小学校に入る前の1年間、11-12歳での2回の追加接種を推奨しています。
http://www.jpeds.or.jp/modules/activity/index.php?content_id=310
日本小児科学会のポスターでわかりやすくまとめてあるので目を通してみてください。
特に6ヶ月未満、ポスターにあるように3ヶ月未満の小さい子では「無呼吸発作」を引き起こすことがあり非常に危険です。
免疫の弱い赤ちゃんを守るには年長児が罹らない、百日咳を流行させないことが非常に大切です。
是非、周りにも周知して頂き、追加接種を受けましょう!
では(๑˃̵ᴗ˂̵)