小児科医が子育てに奮闘しています。

小児科医は子育てのプロではありません。でも病気に関しては専門家です。日々わからないことだらけの子育てに奮闘しながら、病気に関して役立つ情報を提供できればと思っています。

赤ちゃんのスキンケアについて。

赤ちゃんのスキンケアはとっても大切

こどもの皮膚は薄くて敏感。出生直後から乳児湿疹やオムツかぶれなどの皮膚トラブルに悩まされたパパママは多いはず。乾燥したりちょっと口を拭いただけで赤くなったりしますよね。

 

それもそのはず。だって生まれる前はお母さんのおなかの中で羊水というお水の中で過ごしていたのだから。皮膚は外界から身を守るバリアです。そのバリアを使うのはお腹の中で羊水に守られていたところから出生して外気に触れたその瞬間から。この世界は乾燥と汚れ、感染の危険にあふれています。

新生児が特に皮膚トラブルが多いのも理解できますね。

 

赤ちゃんのスキンケアなんて話をすると「赤ちゃんのうちから必要ない」「保湿が一生必要な体になっちゃう」なんて心配する自然派の両親も少なからず存在します。

 

ちょっと待ってください。昔の赤ちゃんは皮膚トラブルがなかったのでしょうか?昔は今みたいにお湯が出て、石鹸があり、毎日のように沐浴をしていたのでしょうか?

そういう外環境の変化は目をつむり、薬のみを拒否するのは自然でも何でもありません。超不自然です。環境は変化し続けるものなのでそれに合わせて「自然」というのも変わっていきます。

 

はなしがそれましたが、心配な気持ちはよくわかります。自分も病院嫌いなので。

でも、適切な新生児期のスキンケアはその後の皮膚疾患を優位に減らすことがすでに分かっていますので、安心してスキンケアをしてください。

 

新生児のスキンケアの効果

赤ちゃんは生まれた直後は胎脂と言われる白っぽいものでおおわれています。これが赤ちゃんの弱い皮膚を守っています。約24時間でこの胎脂は取れますから、なるべく早い時期から保湿などの皮膚ケアが大切です。

とくに少し早く生まれてしまった赤ちゃん。正期産の児と比較して早産時の表皮は半分ほどの薄さです。何もしないと皮膚のひび割れが起きたり、湿疹ができてしまうリスクが高いです。

 

新生児のスキンケアの効果を比較した論文では、スキンケア群の角層水分量は約35-40%、非スキンケア群は20-25%と大きな開きがでています。

皮脂の量はスキンケア群で15μg/㎠、非スキンケア群で20-30μg/㎠となっています。

 

つまり、皮膚を清潔に保ち、スキンケアを行うと、皮脂は少なく、水分量は多く、理想的なバランスで皮膚の環境を整えることができます。

気を付けることは主に2つ

①押し拭き(沐浴後も、おしりふき・手口拭きをつかうときも)

②保湿(市販の乳液タイプローションで十分)

 

これだけです。

 

沐浴から出たら大きめのバスタオルでくるみ、丁寧に押し拭きします。その後保湿ローションを軽く伸ばすように塗ってください。塗るときも摩擦がなるべく少ないようにやさしく塗ってください。

 

お口が汚れたら

授乳後などにお口が汚れたり、オムツの時にお尻が汚れたりしますよね。ガーゼなどで拭きたくなる気持ちはよくわかりますが、ガーゼと言うのはかなり丈夫な構造をしていているので注意です。また、乾いた布も赤ちゃんの皮膚にはやや刺激が強いです。特に赤ちゃんが小さいうちはこれらを使う時は「押し拭き」を徹底してあげてください。

あっ、ティッシュペーパーはもってのほかです!だめです!

理想は手口拭き、お尻拭きなどのベビーワイプスと言われるものです。使い捨てで清潔ですし、柔らかい素材で作ってあるので赤ちゃんの皮膚に優しいです。

…まぁそんなにうまく手元にないことも多いですけどね。(´;ω;`)

 

塗り薬は何が良いの?

それでも皮膚トラブルが出てしまう時はかかりつけのお医者さんに相談してください。よく処方されるものにワセリンやヘパリン類似物質があります。

ヘパリン類似物質は保湿機能が高いですが、血流をよくするので赤ちゃんの顔など皮膚の薄い部分に使うと皮膚が赤みを帯びることがあります。

ワセリンは保湿機能が弱いですが、皮膚のバリア機能の補助としては十分なことが多いです。水を通さないので汗疹が心配ですが、そのときは親水ワセリンといって水を通す親水基が付いたワセリンを処方してもらうと汗を通すので良いでしょう。

安価な保湿剤で尿素含有のスキンケア用品がありますが、これは経皮吸収を良くしすぎるあまり、バリア機能が落ちる可能性があるので第一選択には向かないと考えています。

 

アトピー性皮膚炎をはじめ湿疹・皮膚炎類の疾患は乾燥肌が基礎にあることがほどんどなので新生児期のスキンケアを行うことでこれらの発症を抑えることができます。

 

ただ、それでもなるときはなるので、スキンケアしでも皮膚が荒れている場合にはお医者さんに相談してください。ステロイド談義をするととても長くなってしまうのでまたの機会にしますが、ステロイドは適切に使えばとても有効な薬です。適切にという前提ですが。

 

まとめ

こすらず押し拭き

拭いたら保湿

新生児期のスキンケアはその後の皮膚の基盤になる

 

みんなで子供の皮膚を守りましょう!

 

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では(。・ω・)ノ゙